朝日新聞:大阪市、引き船事業から撤退へ 高コスト体質で赤字続き

大阪市は30日、大阪港で大型船の離着岸などをタグボートで補助する引き船事業から、6年間かけて段階的に撤退する方針を決めた。現在の8隻、乗組員ら職員77人を、最終的に2隻12人に減らし、主に港内巡視や緊急時の物資輸送にあたる。同事業は年間2億5千万円前後の赤字が続き、貸倉庫業などの黒字で穴埋めしており、見直しが急務となっていた。
 30日に開かれた大阪市港湾事業経営改善委員会(委員長=前田高志・名古屋市立大大学院教授)で、市港湾局が明らかにした。
 市直営の引き船事業は戦前から続いており、年間の利用件数約9千件は、大阪港の引き船事業者全体の6割を占めている。しかし、民間が1隻4人なのに対し、市は6人乗りで人件費がかさむなど高コスト体質が指摘されており、70年代前半から赤字が続いていた。
 市は新年度から、8隻のうち6隻を順次売却し、退職者の不補充や配置転換で職員65人を削減する。
 港湾局によると、国内の主要港では、神戸、名古屋両市がタグボート1隻を持っている程度で、東京都や横浜市はすべて民間が担っている。大阪市幹部は「放置すると赤字がさらに拡大する恐れがあった。民間に効率的な事業運営を任せたい」としている。